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小豆島2日目の前半^^ 醤の郷 [旅行]

 で、二日目。前日、ホテルの無料オプションである、朝からの「醤の郷めぐり」に申し込んでおいた。1時間ほどの行程で、醤油の工場めぐりに連れて行ってもらえる、という。だが、「雨天の場合は中止」とあったので、無理かな〜と思っていた。しかし、実施されたので、ラッキー!!と、受付に行くと、申し込んだのが我々家族のみだったようで ^^;それで実施してくれたのかもしれません。

 ボランティアさんが案内してくれて、「今日は雨なので、普段ならお散歩するところですが、車で移動しますね〜」とのことで、腰が痛い家人にはかえってラッキーな(笑)状況でした。
 まず最初に、今現在、最も勢力があるという、マルキン醤油(前日に壁のあたりを散策した、あの醤油工場)に行きました。が。。その行き方が我々とは違っていました。近くの小高い丘の上に登って行ったのです。「なんでこの道?」と思っていたら、案内役さん、「工場全体が見える場所にお連れしまた」とのこと。これが。。びっくり!!こんなに大きいのか!!と。
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 右が醸造の蔵、道をはさんで左、醤油を絞る工場、その先が輸送用の倉庫になっているとのこと。小豆島は昔から、船便で醤油を「輸出」していたので、海側が輸送用なんです。写真では、広大さがいまひとつ、ですが、眼下に広がる黒い屋根は圧巻!
 そこから降りて、次に、上の写真では右下隅あたりに案内していただきました。ここは、マルキン醤油さんと交渉して、観光用に醤油製造工場の一部をガラス張りにしてくれている場所。
(ここのすぐそばまで前日に歩いてましたが、この場所はわからなかった。やっぱり、案内人さんがいないと無理かも。でも、私たちがそう言ったら「マルキンさんにもっと宣伝するよう、言います」とのことでしたから、これからは、分かりやすくなるかも・笑)
IMG_3740.jpg
 ガラスの奥に、延々と続く醤油樽が見えます。この棟だけで4×25の100樽があるそうで。樽ひとつが、径2m×高さ2m強、一升瓶にして3000本になるとか。そして、これは知られているとは思いますが、醤油蔵の屋根についた酵母が大事なので、ここは洗ったり掃除したりしない。この蔵もそうですが、温度管理も自然の風だけを利用しているので、暑くなりすぎたら窓を開ける。すると、そこから酵母が漏れる。それが風雨にさらされると、黒くなる。それを繰り返しているうちに、屋根まで黒くなる。だから先ほどの屋根も黒くなっている。ちなみにこの工場は明治41年に作られたそうです。私の祖父の生まれ年だったので、感慨深かった。。おまけに、工場の中庭の木も黒くなっている、とのことで、後で見せていただきました。確かに、幹が真っ黒でした(笑)
 そのあと、別の醸造蔵にも連れて行っていただきました。そこは、普通の天然醸造ではなく、2年以上かけて醸造するという、特別の蔵。ここの樽の表面は、もう、焦げ茶色になっていました。
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絞る直前の表面のもろみを少し、味見させていただきました。我々は、「い、いいんですか??」とコワゴワでしたが、案内人さんは、「いいの、いいの〜」と。。(笑)そう言いつつ、「でも、秘密よ〜」って((爆)) ほとんどお味噌のような味でしたよ。(ここに写真のせていいのかな〜・笑)

 最後にもう一箇所、蔵に案内していただいて、そこでは、絞ったあとの「かす」を食べさせてもらいました。ここでも我々は、「い、いいんですか〜?」だったのですが、案内人さん、「いいの、いいの〜。醤油作りのひとはみんな優しいから」って(笑) この搾り滓、以前は捨てていたのだけれど、今は、これをトマト栽培の肥料として使っていて、あと1〜2年で出荷できそうだとのことです。糖度が普通より3度ほど高い、甘いトマトなのだそうです。今、熊本あたりで売り出されている塩トマトのようになるのでしょうね。塩分がかなり残っていましたから。楽しみです。
ここでは、新しく作った樽に、今年初めて仕込んだばかりの醤油もありました。
IMG_3750.jpg

 この醤油樽、堺の職人さんが作っているとか。でも、もうその人も廃業するかもしれないというので、急遽、作ったそうです。「これを作った醸造家さんは、これからの世代のために作ったんですよ」と。樽を作る職人さんは、もうほかにいないんだそうです。こういうのこそ、支えなくてはいけないよ、日本の国は。そんなに費用のかかることではないでしょうに。(あの国立競技場作るくらいなら、こっちにお金を回して欲しい〜〜)
 そのほか、いくつか写真も撮りましたが、「秘密」みたいだったので、非公開(といいつつ、いくつかのせちゃいましたけどね・笑)

 さて、案内人さんの「いいのいいの〜」の理由は、その後すぐ、ホテルへの帰り道に判明。じつは、この案内人さん自身が、かつては醤油作りをしていたお家の出だったのです。その後、醤油作りをやめてしまったそうですが、そういう関係で、醤油作りの人々をよく知っていらしたのでしょう。道道、「ここは◯◯醤油の社長のお宅だった」とか、いろいろと教えていただきました。だいたい、そういう社長宅は、ものすごく大きくて、母屋の他に離れがあり、納屋がある、という、大邸宅だとか。確かに、大きいお家がいっぱいありました。でも、ちょっと前までは、ステンレスタンクでコンピュータで温度管理する大量生産の醤油に押されて、小豆島の醤油は衰退していたとか。今は、「本物志向」で盛り返しているそうです!

 小豆島で醤油が生産され、なおかつそれが隆盛となった理由。
一。塩が豊富にあった。赤穂でもわかるように、瀬戸内は雨が少なく、塩の生産に向いていた。
二。水があった。瀬戸内の島では珍しく、岩盤質の山があったので、良質な水が豊富にあった。
三。大阪・京都という、販路があった。今でも、京都・大阪の料亭は、ここの醤油を使っているところが多いとか。

 ただし、原料の小麦・大豆が足りなかったので、それは九州から買い入れていたそうです。瀬戸内の海上交通が、ここにもあったのですね。しかも、行きは醤油や塩を持って行って売り、原料となる小麦・大豆を買い付けていたようで、無駄がない ^^

 ホテルに帰って、預けた荷物を持って、ホテルの目の前のバス停で映画村行きのバスを待っていたら、案内人さんがまたまたホテルから出てきて、「映画村に行くんですか?」と声をかけてくださり、結局、バスが来るまでおしゃべりしてくれました。その時は、案内人してくれていた時の法被姿とちがって、スーツを着ていらして、下の子、「うわ〜、かっこいい〜、めっちゃ似合う〜」と、大絶賛(笑) 「そんなに褒められたら、これ、あげようかな〜」と、名刺をくださいましたが、それがオリーブを模したゆるキャラの形の名刺。そこには。。「◯◯ホテル総支配人」との肩書きが!! えっっ?! 「総支配人なんですか?!」「いやいや、それは前の名刺です、今は違いますよ〜」訳の分かっていない下の子は、「それにしても、ほんとにその服、かっこいい〜!!」「そんなに褒められたら、もうひとつ、こっちはあんまりかわいくないけど、あげよう」と、今の名刺もくださいまして(笑) 今は、「相談役」だそうで。下の子、「相談するひと〜?」って(笑) 「ママ、そうしにん(総支配人が覚えられなかったらしい・笑)って、何するひと〜?」「一番偉いひと」「。。。。えっ・・えーっ??!」((爆)) ホテルの話になったとき、ホテル屋上を指差して、「あそこはまだ前の名前なんです」確かに、そこには、今のホテルとは違う名前がありました。どういう事情かまでは聞きませんでしたけれど、何か事情があったのでしょうね。私たちクラスが泊まるホテルとしては、なかなかいいホテルでした。でも何より、この「醤の郷めぐり」がいちばんよかった!!これは、本音です。
 バスが来て、心から「ありがとうございました」。一期一会、と思っていたら、実は後日談が。。(つづく)

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コメント 5

水郷楽人

ここの醤油屋さんはよくTVで紹介されますね。
by 水郷楽人 (2016-04-05 05:45) 

mimimomo

おはようございます^^
本物はやはり小手先だけじゃないのですね^^
by mimimomo (2016-04-05 06:52) 

夏炉冬扇

匂いは大丈夫でしたか?
桜散り始めてます。
by 夏炉冬扇 (2016-04-05 07:34) 

とりのさとZ

もう60年ほど前のことですが、徳島県南部の小学校6年生の1泊修学旅行が隣県の香川県=讃岐の栗林公園・琴平宮・屋島だったんです。四国連絡橋が出来る前には宇高連絡船も使いましたが、ほとんどは小松島-和歌山港または大阪南港の南海汽船で本州に渡りました。いずれの便も沈没事故がありました。その後も通過するだけで、観光の対象にはなりませんでした。それで小豆島も行っていないんです。詳しい説明、ありがとうございました。
by とりのさとZ (2016-04-06 07:13) 

おじゃまま

水郷楽人さん、
そうなんですか。この蔵、明治41年建造だそうです。祖父と同い年でした ^^

mimimomoさん、
そうですよね。小豆島の歴史の一端が見られて、良かったです。

夏炉冬扇さん、
発酵は25℃以上で始まるのだそうで、今はまだ、そんなにきつい匂いはしませんでした。

とりのさとZさん、
私も修学旅行は栗林公園・屋島で、小豆島にも行きました。
でも、全然覚えていませんでした(笑)
唯一覚えていたのは、一面のレンゲの畑だったのですが、
今の小豆島にはありませんでした。

by おじゃまま (2016-04-06 22:01) 

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