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松山見物記 [旅行]

yuzuki.jpg 道後に一泊した翌朝、本館で温泉に浸かる前、ちょっと腹ごなしの散歩。近くの「湯築城址」に行く。ここは秀吉に滅ぼされた「河野氏」の居城だったとか。(←湯築城のペーパークラフトを貰ったので、あとで帰宅して作ってみました)もうほとんど跡は残っていないが、武家屋敷などが再現されつつある。資料館で子供用のビデオを見てお勉強。ビデオを勧めてくれた、(たぶんボランティアの)ガイドさんの話。

 松山は空襲で焼け野原になった。だがアメリカ軍も、自分が使えそうなものは爆撃しなかったから、松山城と県庁、それに、その2つの近くにあった萬翠荘は残った。それと、道後の温泉も爆撃されなかった。・・という。だから、道後温泉本館も明治のままで残っているのだと。

 そのときうっかりしていたが、お見かけした感じでは、この空襲を、そして焼け野原になった松山を記憶しておられるのではないか、と思う。恥ずかしながら、松山も空襲で壊滅していたとは知らなかった。高知のことは折につけ聞いていたが。

 「ところで、その、バン・・なんとかって、何ですか?」「ああ、異人館みたいな洋風の建物なんですが、キレイですよ〜」「どこにあるんですか?」場所を聞いて行ってみた。

 行ってみると、異人館とは全然違っていた。まず時代が違う。異人館はほとんどが明治くらい。萬翠荘は大正も終わりの頃。しかも、建てた人が違う。異人館は文字通り、外国の人々が建てている。趣味もわりあい素朴だ。だが、この萬翠荘は、藩主の子孫である伯爵が建てたもの。豪華であり、かつ、その豪華さが表に出てこないような、どっしりとした豪華さ。石材は非常に高価なものを使っている、とのこと。水晶のシャンデリアや、1本◯千万円する柱。当時の最先端であった「ガスストーブ」があり、召使を呼ぶ呼び鈴もボタンになっていた。鏡は当時、「ここでしか本当に平らには削れない」と言われた国で生産されたもの(その国がオランダだったかベルギーだったか?忘れてしまった!けれど・・・)を使用している、とか。bansuisostin.jpg
 しかし中でも素晴らしかったのがステンドグラス。これは最近になって、日本人の手によるものだと判明したそうだ。部屋にももう少し小さいサイズだが素敵なステンドグラスがいくつかあった。
 ここは、「坂の上の雲ミュージアム」のすぐそばにあった。が、「坂の上」熱中したはずの家人、子供に配慮したのか、ミュージアムには行かず、萬翠荘のみ見学。(よかった〜・笑)

bottre.jpg その家人がどうしてもここだけは行きたい、と言う「子規堂」に向かうべく、市街電車を待っていると、やってきたのは何と!「坊ちゃん列車」!!「うわ〜ラッキーやねぇ」「乗ろう!」と1dayチケットを使って+100円で乗る。すると、車掌さんが観光案内までやってくれた。それによると、松山の県庁は日本の県庁の中で三番目に古いそうだ。「ちなみに、一番古いのは大阪、その次が神奈川」「・・・え?!大阪府庁って、一番なん?!」「知らんかった〜!」bott2.jpg(ということは、大阪の空襲のときも、米軍は府庁は残したんだろうか・・・)そして坊ちゃん列車は明治当時の列車を、動力(もとは石炭、いまはディーゼル)以外は忠実に再現している、とのこと。硬い木の座席は、確かにそれを物語っていた・・かも(笑)。まあ、座席にゆっくり座っていたのは家族で私だけだったが。

 坊ちゃん列車は終点に着くと、人力で方向転換。その様子も見られて、とても面白かった。方向転換している途中で、ロゴマークが目に留まる。そこには「munchen」の文字。「え?!これ、ドイツ製なの?」その疑問はすぐに解けた。

 市街電車の「松山市駅」で降りて、さて「子規堂」へ。その子規堂の前には、何と当時の市街電車の客車(現存する最後の一両)が置いてあった!その中に入ると、列車の説明が。やはり、当時ドイツから購入したものなのだそうだ。 説明を読んでいると、当時の電車運賃は、漱石は「安い」と書いているが、庶民からすると相当なものではなかったか、と思った。

kairo.jpg 話は前後するが、道後を離れる前に、道後にある伊佐爾波(いさにわ)神社へ。「八幡造り」で日本に3つしかないうちの一つ、という。他は石清水八幡宮・宇佐神宮とのこと。「何のことか分からんけど、行ってみよう!」と。行ってみて、素人にも分かったのは、「回廊」が神社の本殿をぐるっと取り囲んでいる、ということ。これは確かに珍しいかも。まるで、スペインや南仏の修道院の回廊のようだった!
 ここで、ちょっと不思議なモノを見てしまった。小高い丘の上にあるこの神社の階段を上り切ったあたりに、小さな石造りの碑が。日付は「昭和16年12月8日」。「国威宣揚」の下の文字が毀たれてほとんど読めないが、日付を見てから読んでみると、読めた。
hi.jpg「大東亜宣戦記念」だと思う。ここでみんな、勝利を願っていたのだな、と。ここは「坂の上・・」でも分かる通り、明治の名将の生まれた土地。八幡様は戦いの神様。。。だが敗戦後、ここにも進駐軍がやってきたわけである。萬翠荘も米軍に接収されたそうだ。読まれるのを恐れて、毀したのか。。。それとも、反戦・非戦の願いを持った人々が、毀したのか・・・その碑のすぐ横を、外国人の家族、バックパッカーの若い外国人が通って、八幡宮を見物していく。。

 松山には何でもある。朝食はstarbucksだったし(笑)。帰阪直前の昼ご飯は、スパゲティ食べたし。でも、最初の昼食の「イタリア軒」は、もう数少ないホントの「洋食屋」さんだな、と思った。ここのランチの定食についてくるビーフシチューは、ホントに美味しかった〜。駅のインフォメーションでもらった地図に載っていて、子供が「もう魚は嫌」「オムライスが食べたい」と(ちょっと涙ぐんで)言い出したので、ここにしたのであるが、正解も正解、大正解だった!!もしまた松山に行くなら、ここでもう一回、食べてみたい。

 後日談。最近、子供が「列車ごっこしよう!」と二人でやっている。「運転手はママね?」と、参加を強要されることもある。で、「車内放送」を聞いていると、「つぎは〜警察署前〜けいさつしょまえ〜」と。それでやっと分かったが、松山の市街電車の模倣だったらしい。さんざん乗ったし、乗り心地も良かったのか、印象に残ったらしい。もうしばらく、電車ごっこに付き合わされそうである。

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rtfk

近くて遠い?松山を解説いただき有難いです^^)
改めて行ってみたくなりました♫

by rtfk (2012-04-07 06:43) 

おじゃまま

rtfkさん、こんにちは。
いつも思うのですが、「これが見たい!」と思って行ったところよりも、
偶然、出会った人や場所のほうが、記憶に残るものなのですね。
旅って、やっぱり、いいもんだなぁ、と改めて思います。
by おじゃまま (2012-04-07 15:20) 

hatumi30331

雰囲気ありますね!
ステンドグラス・・・深い色合いが素敵です!
日本に生まれて日本に住んでいても・・・
知らないことの多いこと!
旅をすると、よく分かるね〜♪^^
だから楽しいんですよね〜〜〜(笑)
by hatumi30331 (2012-04-07 17:23) 

mimimomo

こんにちは^^
松山に行かれたのですね~ わたくしは松山に友人が住んでいるので、一度だけ訪ねたことがあります。
でもそう言う電車には乗らなかったわ(--; こう言うときは友人の運転する車がちょっと恨めしいですね^^
ご家族皆様で楽しめてよかったですね。
by mimimomo (2012-04-07 17:57) 

旅爺さん

松山や道後温泉には2回行きました。
米軍は何処も由緒あるような城や神社仏閣は残すようにしたと聞きました。
by 旅爺さん (2012-04-07 18:05) 

夏炉冬扇

今晩は。
ステンドグラス非常に興味があります。
見学したい。2月にステンドグライ展したので。
by 夏炉冬扇 (2012-04-07 23:40) 

おじゃまま

hatumi30331さん、こんにちは。
ほんとに知らないこといっぱいです。
ステンドグラス、写真には撮らなかった(撮っていいのかどうか最初分からなくて)のですが、
バラの好きな伯爵だったらしく、バラの花のステンドグラスがまた素敵でした。
by おじゃまま (2012-04-09 12:31) 

おじゃまま

mimimomoさん、こんにちは。
いえいえ、やはり都会とはいえ、少し離れたところなどは車がないと!
それはそれで羨ましい限りです!
by おじゃまま (2012-04-09 12:32) 

おじゃまま

旅爺さん、こんにちは。
さっすが〜!二回、というところがすごいな〜。
2回目というのは、楽しみ方もまた違うでしょうね。
私ももう一度、行ってみたいな〜と。
by おじゃまま (2012-04-09 12:33) 

おじゃまま

夏炉冬扇さん、こんにちは。
ええっと・・・ごく最近、日本人のあるガラス作家のひとのお宅から、
このお屋敷の領収書が出てきた、とか何とか。。。その作家さんの名は忘れまして・・
(検索してみたりして・笑)
http://www.bansuisou.org/guide_dtl/2012/02/post-74.html
に、詳しいようです。
by おじゃまま (2012-04-09 12:43) 

夢空

坊ちゃん列車、乗ったのですね~(^_^)
私は、写真だけだったけど、感激モノでしたっ☆
by 夢空 (2012-04-09 19:40) 

おじゃまま

夢空さん、こんばんは。
乗れたんです〜☆実はその前にも、機会はあったものの、すごい人が並んでて!諦めてたんです。昼ごろって、狙い目かも?(笑)
by おじゃまま (2012-04-10 20:08) 

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